
部門別ノミネート作品
外国語映画賞
外国語映画賞 受賞

ナチュラルウーマン
(チリ)
受賞発表の様子......
レバノン、ロシア、ハンガリー、スウェーデン、チリから国籍もテーマも多様な有力作がノミネートされ、予想が極めて難しかったこの部門。プレゼンターの女優リタ・モレノが張りのある声で読み上げたタイトルは、チリ映画の『ナチュラルウーマン』だった。ウエイトレスをしながらナイトクラブで歌う主人公が、トランスジェンダーゆえの差別や偏見と闘う物語。「ありがとう。素晴らしいギフトです」と愛おしそうにオスカー像を握り締めたセバスチャン・レリオ監督が、一緒に登壇したキャストに感謝し、「わたしにインスピレーションを与えてくれたダニエラ・ベガ」とパープルのドレスをまとった主演女優を紹介すると、実際にトランスジェンダーであるダニエラに会場から大きな拍手が。政治的発言の一切ない素朴なスピーチだったが、マイノリティー擁護を表明するハリウッドの姿勢がうかがえる一幕だった。
(協力:WOWOW/文・高橋諭治)
- ナチュラルウーマン(チリ)
- 外国語映画賞
- 『グロリアの青春』などのセバスティアン・レリオが監督と脚本を担当した人間ドラマ。最愛の恋人をなくし、いわれのない偏見や差別にさらされながらも誇り高く生きるトランスジェンダーの主人公を映す。主演を務めるのは、自身もトランスジェンダーのシンガーであるダニエラ・ベガ。フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコらが共演している。 作品詳細はこちら
- ジ・インサルト(原題) / The Insult(レバノン)
- 外国語映画賞
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- ベネチア国際映画祭では主演男優のカメル・エル=バシャが最優秀男優賞を受賞。キリスト教徒であるレバノン人男性がパレスチナ難民の男性との口論で侮辱を受けたと告訴し、法廷劇へと発展する。レバノン出身のジアド・ドゥエイリ監督はアメリカのサンディエゴ大学で映画を学び、クエンティン・タランティーノ作品にアシスタント・カメラマンとして参加。1998年の監督デビュー作『ウエスト・ベイルート(英題) / West Beirut』で脚光を浴び、本作は長編4作目にあたる。
- ラブレス(ロシア)
- 外国語映画賞
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- 第70回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いたヒューマンドラマ。離婚の準備を進める夫婦が、12歳の一人息子の失踪に直面する。メガホンを取るのは『父、帰る』で第60回ベネチア国際映画祭金獅子賞と新人監督賞、『裁かれるは善人のみ』で第67回カンヌ国際映画祭脚本賞を獲得したアンドレイ・ズビャギンツェフ。『エレナの惑い』などのアレクセイ・ロズィンらが出演する。現代人の姿を張り詰めた語り口で描く。 作品詳細はこちら