掲載期間:2017年1月25日~3月13日

第89回2017年アカデミー賞

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アカデミー賞最有力作の監督&主演コンビがそろって来日!

第89回アカデミー賞で、『タイタニック』(1997)に並ぶ歴代最多タイの14ノミネートという快挙を成し遂げたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。『ハーフ・ネルソン(原題) / Half Nelson』(2006)以来のアカデミー賞主演男優賞ノミネートとなった俳優のライアン・ゴズリングと、長編監督作3作目にしてオスカー有力候補作とされる『ラ・ラ・ランド』を完成させたデイミアン・チャゼル監督が、今回のノミネーションを振り返りつつ、本ミュージカルについて語った。

ノミネーションの瞬間をリアルタイムでお祝い

今、映画史に新たな歴史が刻まれようとしている。そんな言葉がぴったりなほど、2016年度の映画賞レースで圧倒的強さを見せてきた『ラ・ラ・ランド』。映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞を含む14ノミネートとなった。チャゼル監督が「この映画のためにたくさんのスタッフが一丸となって、それぞれの限界に挑むつもりで働いてくれたおかげ」と切り出せば、ライアンも「映画というのはチームでつくるもの。大抵は、その中の1人や2人がノミネーションを受けるという形になることが多いけれど、今回はチームの多くの人が認められて、最高だなと思う」と続け、この功績へと導いたチームワークの素晴らしさをしみじみと感じている様子。そのチームワークの良さは、ノミネーションの結果を耳にしたときのエピソードからもうかがえる。2人はそのとき、本作のプロモーションツアー中だったといい、ホテルの一室でシャンパンとチョコレートケーキを片手にお祝いしたそうだ。主演女優賞にノミネートされたエマ・ストーンとはFaceTime越しに。

ライアンは子役時代からダンスの名手!

ミュージシャンを志し、高校時代にジャズドラムの練習に明け暮れたチャゼル監督。そのときの鮮烈な体験を基に描いた前作『セッション』(2014)は、大きな反響を呼び、第87回アカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネート、助演男優賞・録音賞・編集賞の3部門受賞となった。それだけ注目された後でつくられた本作に、多大なる期待が寄せられるのは想像に難くない。そしてそれが、チャゼル監督が長年温めてきた企画ならなおさらだ。そんな経緯を知るライアンは「自分たちの望むようにこの映画をつくれたこと自体が賞に値することだと思う」とさえ言い切る。ライアンも、子役時代から人気番組「ミッキーマウス・クラブ」で歌手のジャスティン・ティンバーレイクやブリトニー・スピアーズらと活躍するなど、音楽に慣れ親しんでいた。「大好きなジャンルに少しでも貢献したいと思って」と本作への出演を決意したという。

なぜミュージカルなのか

ロサンゼルスを舞台に、女優の卵と売れないジャズピアニストが出会い、恋と夢の実現のはざまで揺れ動くさまを描いた本作。「現代のアーティストについて語るのに、ミュージカルこそ適していると感じたんだ。ミュージカルは、基本的に“夢か現実か”ということに尽きると思うから」とチャゼル監督。さらに、ミュージカルでなければ「この楽しさや高揚感」は表現できないとし、大胆に感情表現できることを指摘する。「しばらくの間、ハリウッドは、とても感情的な作品をつくるのを恐れていたように思う」。そう冷静に語るチャゼル監督の姿はどこかたくましい。興行的成功を前提につくられる映画が多くなった昨今、一部から敬遠されがちなジャンルであるミュージカルがこれほどまでに成功した意義は大きいだろう。

死ぬまでに観るべきミュージカル2本

そして本作をつくる原動力となったのがライアンとチャゼル監督のミュージカルへの愛。そんな2人が「死ぬまでに観るべき1本」として2本のタイトルを挙げた。ライアンは「『雨に唄えば』(1952)だね。色褪せないミュージカルの傑作だし、この映画にも多くのインスピレーションを与えてくれた。それに、新人だった(ヒロイン役の)デビー・レイノルズがジーン・ケリーと対等に歌やダンスを見事こなしていたのは、奇跡に近いと思う」と役者らしい視点からチョイス。一方のチャゼル監督は「『雨に唄えば』に同意だね」と即答しつつも、やはり生粋の映画オタクとあって、次の瞬間には「たくさんありすぎる……」と言葉に詰まりつつ、「『ラ・ラ・ランド』にとっても重要なミュージカルが、1960年代のフランス映画『シェルブールの雨傘』(1964)なんだ。それは『雨に唄えば』に呼応する形で生まれたような作品だと思っていて、(『雨に唄えば』などを生み出した)MGMミュージカルのように、カラフルで楽しくて陽気さがありながらも、メランコリックで現実的なフランス的視点も持ち合わせている。その組み合わせが素晴らしい」と本作への影響も明かしつつ、絶賛していた。

取材・文:シネマトゥデイ編集部 石神恵美子 撮影:日吉永遠

ライアン・ゴズリング
1980年11月12日、カナダ・オンタリオ州ロンドン生まれ。子役からキャリアをスタートさせ、ディズニー・チャンネルの子供向け番組「ミッキーマウス・クラブ」で活躍。1996年の映画『フランケンシュタインと僕』(日本未公開)で銀幕デビューを飾る。その後、主演した『きみに読む物語』(2004)が大ヒット。『ハーフ・ネルソン(原題) / Half Nelson』(2006)ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、演技派としても認められる。『ブルーバレンタイン』(2010)や『ドライヴ』(2011)などでのシリアスな役から、『ラースと、その彼女』(2007)や『ラブ・アゲイン』(2011)でのコミカルな役まで幅広くこなす。待機作に、SF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー2049』(2017年10月27日公開)や、『ツリー・オブ・ライフ』などの巨匠テレンス・マリックの新作『ソング・トゥ・ソング(原題) / Song to Song』などが控えている。

デイミアン・チャゼル
1985年1月19日、アメリカ・ロードアイランド州プロビデンス生まれ。幼少期から映画づくりに憧れを抱きながらも、ミュージシャンになる夢もあったことから高校時代にはジャズドラマーとして猛特訓を重ねる。その後、ハーバード大学では映画監督への道を再び志し、映画制作について学ぶ。前述の高校時代の体験をベースに脚本・監督を務めた長編2作目『セッション』(2014)がサンダンス映画祭で観客賞と審査員大賞(グランプリ)を獲得し、一躍その名を知らしめる。同作はアカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネート、3部門受賞。うち自らも脚色賞にノミネートされた。『ラ・ラ・ランド』は2016年度の映画賞レースを席巻しており、第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞をはじめとする7部門受賞の史上最多受賞(映画部門)を果たした。第89回アカデミー賞では史上最多タイの14ノミネートを達成。

最新作
『セッション』などのデイミアン・チャゼルが監督と脚本を務めたラブストーリー。女優の卵とジャズピアニストの恋のてん末を、華麗な音楽とダンスで表現する。『ドライヴ』などのライアン・ゴズリングと『アメイジング・スパイダーマン』などのエマ・ストーンをはじめ、『セッション』でチャゼル監督とタッグを組んで鬼教師を怪演したJ・K・シモンズが出演。クラシカルかつロマンチックな物語にうっとりする。

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