掲載期間:2021年3月16日~5月9日

第93回2021年アカデミー賞特集

【アカデミー賞】主要ノミネート作品の海外での評価は?全15作品のスコアをまとめてご紹介!

FRONTROW

Photo:アフロ/スプラッシュ、ニュースコム、© PLAN B ENTERTAINMENT、© Cor Cordium Productions/Hear/Say Productions/Highwayman Films

アカデミー賞の主要部門(作品賞、監督賞、主演俳優賞、助演俳優賞、脚色賞、脚本賞)にノミネートした作品を、米映画批評サイトRotten Tomatoesの批評家スコア、観客スコアとともにご紹介!(フロントロウ編集部)

『ミナリ』

批評家スコア98%:観客スコア89%
 アーカンソー州に移り住んだ韓国系アメリカ人一家を描く作品『ミナリ』は、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、作品賞、作曲賞、脚本賞の6部門にノミネートされた。アカデミー賞主演男優賞にこれまでアジア系アメリカ人俳優がノミネートされたことはなく、主演スティーヴン・ユァンのノミネートは史上初の快挙。

『マ・レイニーのブラックボトム』

批評家スコア98%:観客スコア75%
 1920年台のシカゴを舞台に、"ブルースの母"の異名を持つ歌手で、ヴィオラ・デイヴィス演じるマ・レイニーのレコーディング中の出来事を描いたNetflixオリジナル映画『マ・レイニーのブラックボトム』。主演女優賞、主演男優賞、美術賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、衣裳デザイン賞にノミネート。主演男優賞にノミネートした2020年8月28日に逝去したチャドウィック・ボーズマンは、ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞も受賞している。

『ファーザー』

批評家スコア98%:観客スコア88%
 作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞、編集賞、美術賞の6部門でノミネーションを受けた本作は、世界30か国以上で上演された傑作舞台の映画化。年齢と共に誰もが経験する喪失と、親子の絆を見つめた物語。映画『羊たちの沈黙』アンソニー・ホプキンスが父親役を務め、映画『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが、父を介護する娘を繊細に演じる。監督は舞台のオリジナル戯曲を手掛けたフロリアン・ゼレール。長編初監督にして、現実と幻想の境界が曖昧になっていく父の視点で描かれる、これまでにない画期的な表現を実現した。

『あの夜、マイアミで』

批評家スコア98%:観客スコア82%
 1964年、プロボクサーのカシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)は、強敵を破りヘビー級の世界王者に。そんな彼の勝利を祝うため、黒人解放運動活動家のマルコムX、アメリカンフットボール選手のジム・ブラウン、歌手のサム・クックが、マイアミのホテルの一室に集まり、黒人である自分たちについて熱く語り合う。レスリー・オドム・Jr.が助演男優賞にノミネートし、脚色賞、歌曲賞にもノミネートしている。

『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』

批評家スコア97%:観客スコア91%
 Amazonオリジナル映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』は、突然耳の聞こえなくなる病に侵されたヘヴィメタルバンドのドラマーの姿を描いている。本作は、「ろう文化」という、単に聴覚障がいがあるということを示すだけではなく、手話や視覚を中心としたコミュニケーションを行なう文化のことを真摯に受け止め、描き出し、作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、編集賞、アカデミー音響編集賞にノミネート。主演のリズ・アーメッドは、イスラム教徒として初のオスカー主演男優ノミネートとなった。

『ジューダス・アンド・ブラック・メサイア』

批評家スコア96%:観客スコア95%
 1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開した急進的政治組織「ブラックパンサー党」の指導者フレッド・パンプトンの暗殺事件を描いた伝記映画『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』。本作は、メインキャストとなるラキース・スタンフィールドとダニエル・カルーヤが助演女優賞にWノミネートしたほか、作品賞、脚本賞、撮影賞、歌曲賞にノミネート。ちなみに本作の主人公はラキースではあるが、なぜか助演賞にノミネートしたことで疑問の声が上がっている。

『ノマドランド』

批評家スコア94%:観客スコア81%
 『ノマドランド 』は、リーマンショックによる企業の倒産とともに、長年住み慣れた住処を失った60代が、キャンピングカーに思い出もなにもかもすべてを乗せて、"現代のノマド(遊牧民)"として、車上生活者となることを選ぶ物語。アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞の主要6部問でノミネート。監督のクロエ・ジャオはゴールデン・グローブ賞でアジア人女性として初めてドラマ部門の監督賞を受賞しただけでなく、同アワード史上初めてドラマ部門の作品賞を受賞した女性監督となったことでも話題になっている。

『アナザー・ラウンド』

批評家スコア92%:観客スコア91%
 アカデミー賞監督賞、国際長編映画賞の2部門にノミネートされたデンマーク映画『アナザーラウンド』。マッツ・ミケルセン演じる冴えない高校教師とその同僚3人が、「血中アルコール濃度を一定の度合いを保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、仕事中でもお構いなしに飲酒しまくると言う驚きの1作。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

批評家スコア90%:観客スコア88%
 性犯罪者への復讐をテーマにした映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、監督賞、主演女優賞、作品賞、脚本賞、編集賞にノミネート。性犯罪がテーマである本作の大きな魅力は、女性が直面する性被害の問題をしっかりと描いているところで、観客の間では、様々な議論を呼んでいる。主演は『17歳の肖像』のキャリー・マリガン。エメラルド・フェネル監督は『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督と共に監督賞ノミネートを果たしたが、アカデミー賞93年間の歴史上、監督賞に女性が複数人ノミネートされるのは今回が初めてのこと。

『シカゴ7裁判』

批評家スコア89%:観客スコア91%
 作品賞、脚本賞、編集賞、助演男優賞、撮影賞、歌曲賞の6部門でノミネートしたNetflixオリジナル映画『シカゴ7裁判』は、ベトナム戦争への反対運動が高まる中、平和的に行われるはずの抗議デモが、警察との激しい衝突に。抗議デモを企てたとされ逮捕、起訴された7人の男の衝撃の裁判を描いた実話に基づく物語。監督は、ドラマ『ニュースルーム』などのアーロン・ソーキン、助演男優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のサシャ・バロン・コーエン。

『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』

批評家スコア85%:観客スコア64%
 『シカゴ7裁判』で助演男優賞にノミネートしたサシャ・バロン・コーエンが制作、主演、脚本を手掛けた『続・ボラット』は、脚色賞と助演女優賞(マリア・バカロワ)にノミネートしたモキュメンタリーコメディ。本作は、2006年に公開された『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の続編で、ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門の作品賞を受賞している。ちなみにこのタイトルは、アカデミー賞にノミネートされた作品としては、史上最も長い映画タイトルとしてギネス認定された。

『Mank/マンク』

批評家スコア83%:観客スコア61%
 デヴィッド・フィンチャー監督が1941年の名作『市民ケーン』の誕生秘話にスポットライトを当てて制作したNetflixオリジナル映画『Mank/ マンク』。監督賞、主演男優賞、助演女優賞にノミネートされたほか、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、作曲賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響編集賞の10部門で最多ノミネート 。第78回ゴールデングローブ賞授賞式でも、最多ノミネートを果たしていたものの、残念ながら無冠に終わっていた。主演はゲイリー・オールドマン、助演にはアマンダ・サイフリッド。

『私というパズル』

批評家スコア75%:観客スコア86%
 自宅出産で予期せぬ悲劇に見舞われ、大きな喪失感とともに見失った女性が自己を取り戻していくNetflixオリジナル映画『私というパズル』。ヴァネッサ・カービーは、圧倒的な演技力で主演女優賞でノミネートを果たし、すでに第77回ベネチア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞している。冒頭、約20分もの長尺で映し出される出産シーンが特徴的。

『ユナイテッド・ステーツ vs ビリー・ホリデイ』

批評家スコア53%:観客スコア86%
 アンドラ・デイが主演女優賞にノミネートした映画『ユナイテッド・ステーツ vs ビリー・ホリデイ』は、人種差別の惨状について歌った曲「Strange Fruit (邦題:奇妙な果実)」をはじめ、「God Bless' the Child(邦題:神よめぐみ)」などのヒット作をリリースし、史上最も偉大なジャズシンガーの1人として名を馳せるビリー・ホリデイの人生を描いた伝記映画。主演のアンドラは、ゴールデン・グローブ賞では35年ぶりに黒人女性として主演女優賞を受賞。

『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』

批評家スコア26%:観客スコア84%
 批評家と一般観客の間で大きくその評価が分かれているNetflixオリジナル映画『ヒルビリー・エレジー』からは、名優のグレン・クローズが助演女優賞にノミネート。また彼女は、その年の最低を決めるラジー賞にも本作で助演女優として同時にノミネートし、話題となった。本作は、J・D・ヴァンスによるベストセラー回顧録『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を原作とした実話ベースの作品。

(フロントロウ編集部)

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